「原発いらない福島の女たち」のメンバーでもあり、障がい者の自立生活支援をしている障がい当事者の鈴木絹江さんの発案で始まった、防災企画会議による「障害のある人と共に考える防災ワークショップ」のファシリテーターの一人として参加しました。今年度中に全国5か所の原発立地県で開催予定で、その1,2回が鳥取県米子市、島根県松江市でした。今後は鹿児島市、青森市、福井県で開催予定です。
この出前ワークショップの主旨は「災害時に最も弱い立場に置かれる障がいを持つ人たちの、災害リスクの削減の目標は差別、格差、排除をなくすことであり、そのことを、一人ひとりが自分のこととして考える。障がいを持つ人の立場から地域に潜む災害リスクを検証し、災害に強いまちづくりを市民や行政(福祉・防災・都市計画・交通・原子力規制委員)に訴えていく場を作る」というものです。
ワークショップは二部構成となっており、第一部は南相馬市で障がい者の地域生活支援をしている青田由幸さんより、原発震災当時の要援護者の緊急避難やその支援の実態と、その後の福島の状況についての講演がありました。障がい者や高齢者が逃げ遅れ、避難してもしなくてもどちらも過酷な現実が待っていたこと、また、福島県は原発事故があったために直接死よりも災害関連死のほうが多くなっていることや、地域や家庭が分断されている実態の報告に参加者からため息が漏れていました。
第二部は原発震災が起きた時に、当事者としてどう判断すればよいのかクロスロード(分かれ道)ゲームという方法でワークショップを行いました。6〜8名ぐらいのグループに分かれ、島根原発が巨大地震により事故を起こしたという具体的な設定で、避難に関する設問に対し自分はどうするか、それぞれの判断理由を披歴して話し合いました。立場や状況の違いから答えはひとつではなく、それぞれが話す中での気づきもありましたが、時間的な制約もあり、詰めて話し合うまでには至りませんでした。クロスロードゲームは具体的な設定と、個人に判断がゆだねられる点で臨場感と緊迫感があり、自分の問題として捉えやすいことから、この方法を使って、地域で災害弱者を含めた原発震災の防災について話し合いを持ちたいという意見も出ていました。
今回のワークショップは、鳥取、島根の障がい当事者団体と脱原発のグループ(えねみら・とっとり、さよなら島根原発ネットワーク)が協力して開催し、行政の関係者や市議会議員も参加していました。(島根では衆院選と重なってしまい行政関係者は参加できませんでしたが)講演会には、両会場とも60数名、ワークショップには40名ほどの参加がありました。
島根県の県庁所在地である松江市は、島根原発から20キロ圏にすっぽりと入ってしまい、事故が起きて30キロ圏の人たちも避難することになると、46万人が岡山や広島に通ずる道路に殺到することになるとのことで、想像しただけでも身震いがします。
ワークショップに参加した障がい当事者でNPO法人の理事長をしている方が「大変な現実を知ってしまった」と何度もつぶやくのを聞き、原発震災の避難計画を自治体や福祉事業所、病院に丸投げして、避難計画ができているかのように装い、住民の強い反対があっても、原発再稼働を進めようとしている自民党政府に対してあらためて怒りがわきました。
■写真の解説
- ワークショップの様子
- 米子鬼太郎空港から乗ったのは、鬼太郎電車!
- 米子実行委員会の「えねみら・とっとり」の中山さんと、障害者生活支援センターすてっぷの光岡さん。中山さんは今回の開催に尽力してくださり、2日間とも泊りがけて準備してくださいました。
- 視覚障害の方も盲導犬とともに参加。
- 松江会場の実行委員長は、障がい当事者で、双葉町から避難された桑原さんでした。
- 南相馬の青田さんの講演。



